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終活でも生前整理でもない。“ラク活”という生き方(ラク活思想編)

2026.02.11

終活でも生前整理でもない。“ラク活”という生き方│なぜ私は「終活」という言葉を使わないのか(ラク活思想編)

第1章|支援の現場にある“言語化できない違和感”

この支援は、本当に「本人のため」になっているだろうか。

高齢者支援の現場に関わる中で、私はこの問いを何度も繰り返してきました。
ケアマネージャー、包括支援センター職員、ヘルパー。
立場は違っても、多くの支援職が同じ違和感を抱えています。

目の前の高齢者は、まだ生活できている。
意思もある。会話も成立する。
けれど支援の文脈になると、話題は「将来」「いずれ」「亡くなった後」に移っていく。

これは支援の質が低いからではありません。
むしろ誠実さの表れです。
しかし、その誠実さの裏で、無意識の前提が共有されやすい。

「住まいは変えられないもの」

この前提です。

支援計画では、
どのサービスを入れるかは丁寧に検討されます。
しかし、
今の身体に合わせて住まいを整え直すという発想は、計画の中心に置かれにくい。

結果、支援は“人”に集中します。

  • 不用品に囲まれた家
  • 動線を塞ぐ家具
  • 動作に合わない収納

そのままの環境で、
週に数時間の支援が入る。

ヘルパーは限られた時間で最大限の支援をする。
ケアマネはその苦労を知っている。

それでも、
「住まいを変える」という選択肢が提示されない。

なぜなら、その選択肢が存在することを知らないからです。

第2章|終活という言葉が生む“構造”

終活や生前整理を否定するつもりはありません。
それらは善意から生まれた概念です。

しかし、支援の軸が「死」に置かれた瞬間、
思考はカウントダウンになります。

  • あと何年だろう
  • 今さら変えても意味がない
  • とりあえず現状維持でいい

この思考は、本人にも支援職にも入り込みます。

そして起きるのが、
「環境は変えない。人で補う」という構造です。

支援は増える。
しかし生活は軽くならない。

私はこの構造に違和感を覚えてきました。

支援とは本来、
未来の不安を減らすことではなく、
今日の生活を軽くすることではないか。

第3章|ラク活という視点

ラク活とは、
「今の生活を基準に、住まいと物量を整え、動作と心の負担を減らす活動」
です。

ラク活には三つの軸があります。

① 身体的負担を減らす

よく使う物が遠い。
踏み台が必要。
一つの行為に3アクション以上かかる。

動作を減らすだけで、転倒リスクは下がります。

② 精神的負担を減らす

「片付けなきゃ」という無意識のストレス。
不用品は、思考を占有します。

③ 環境が支援する構造を作る

人の手を増やす前に、環境を整える。
これがラク活の核心です。

第4章|現場で起きた変化

変化① 動きやすくなった

家具配置を変えただけで、
「無駄に動かなくてよくなった」と言われました。

変化② ヘルパーの効率向上

物をどかす時間が減り、
支援の質が上がった。

変化③ 計画の前提が変わった

「この家でどう支援するか」から
「この生活に合う家に近づける」へ。

変化④ 本人の主体性が戻る

「私はこうしたい」と言葉が変わる。

第5章|なぜ知られてこなかったのか

  • 片付けは支援の外側に置かれてきた
  • 終活という強い言葉に隠れた
  • 支援職ほど役割境界を意識する
  • サービスとして体系化されていなかった

ニーズがなかったのではない。
見えなかっただけです。

第6章|講座という装置

ラク活は思想だけでは意味がありません。
だから講座にしています。

講座は教える場ではなく、
支援の前提を揃える場です。

原則無料。
5名〜100名規模。
2024〜2026年平均で年間15本実施。
行政・自治会・包括支援センターからの依頼が中心です。

第7章|支援職にもたらす価値

  • 判断軸が増える
  • 人への負担集中が減る
  • 本人主体に戻れる
  • 支援職自身が楽になる

ラク活は、高齢者のためだけではありません。
支援を続ける人のための思想でもあります。

最終章|この違和感を持ち帰ってほしい

この支援は、
本当に今の生活を軽くしているだろうか。

答えを急ぐ必要はありません。
ただ、
「住まいを整える」という選択肢があることを知ってほしい。

ラク活は終活の否定ではありません。
生活を基準に戻す思想です。

もし現場で違和感を抱えているなら、
一度話を聞いてください。

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